40代・50代の親の介護とDIY

介護と仕事の話・介護のDIY・介護用品を紹介

長時間座ることによる褥瘡を予防するには?家族が自宅でできること

主人の父は脳梗塞をきっかけに脚力が低下するなど、カラダが不自由になっていたのですが、5ヶ月前から脚力がどんどん落ち、1日の殆どを椅子の上で過ごすようになりました。そんな父は、以前から「お尻が痛い」と言うことがたまにありましたが、薬を塗ることで治ってはまた痛くなるということを繰り返していました。

ですが、5ヶ月前にお風呂の浴槽から出られなくなったことをきっかけにレベル低下が進み、今は家の中の移動も、手摺りなどを使って伝い歩きするのがやっとです。そんな状態ですので座っている時間が長くなり、「お尻が痛い!」と辛そうに言うことが増えてきました。軟膏などの薬を塗っても以前のようにはよくならず、「痛い!」と言うことが多くなりました。そんな父のために、2つのクッションを用意しました。それからは、痛いと言うことは無くなりました。どのようなクッションを用意したのかをご紹介します。

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 自宅で座っている時間が長い!圧迫防止には?

前述したように、父は座っている時間が長く、時々「お尻が痛い」と辛そうでした。お風呂上がりに見てみると、常に褥瘡があるというわけではありませんが、お尻の一部がただれては薬を塗って治り、暫くすると、またただれる…ということを繰り返していました。

あまり同じ体勢をしていてはいけない(時間を決めて体位変換した方がいい)ということは、前回書かせて頂いた〝寝たきりの母の経験〟から分かってはいましたが、父はトイレに行くなどの最低限の移動以外では椅子から離れません。脚力がないので歯磨きも椅子に座ってします。認知症などはなく自分の考えもはっきりしているので、無理強いするわけにもいかず、症状だけがひどくなっていきました。

そんな父のために、私は実母が使っていて実家に残っていた四角いクッションを車椅子ように用意し、主人は父が普段座る椅子ように圧力を吸収するドーナツ型のクッションを購入しました。

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  車椅子のための四角いクッション

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 これが、実父が実母の褥瘡対策に購入したものです。 

 私の実母は60代前半で自分で歩くことができなくなり、介護施設で普通の椅子に座るということはなく、座っているときはいつも車椅子でした。次第に座位を保つことも困難になってきました。そんな母が「少しでも楽に座れるように」、「褥瘡対策に」と実父はこの四角い耐圧分散のクッションを購入しました。実母が他界してから、私自身も職場や自宅のソファーでお尻の下や背中にあてて使っていたので、使い心地の良さを実感していましたので、父が「お尻が痛い」と言っているのを聞き、実母が使っていたクッションを父が通院時に使う車椅子に敷きました。中心部が円形にはずせるようになっていたり、カバーがはずせて洗えるようになっている点も便利です。

  普段座っている椅子のための圧力吸収クッション

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  これが、主人が購入し父の普段座る椅子に置いたドーナツ型クッションです。

左右の前の部分がへこんでいて、座ったときに太ももにもフィットし、ソフトな弾力で座り心地がとてもやさしく、このクッションに座りはじめてから、父は「お尻が痛い!」と言わなくなりました。尾てい骨があたる部分がへこんでいるのもよく考えられています。

 

 

このお話が褥瘡で悩んでいる方やそのご家族の方のお役に立てれば幸いです。

働きざかりと親の介護

私は40代後半で主人は50代前半です。

私は30代から実母が要介護状態で、3年前まで介護施設や介護サービスとのお付き合いが続きました。一年前に父も他界しました。

ですが今年、新しい家族が増えました。結婚し、また〝お父さん〟〝お母さん〟と呼べる人ができました。主人の両親は共に80代前半で、母は元気ですが父は要支援2で介護が必要な状態です。要支援2といっても、家の中での移動だけでもひと仕事で、自分で歩いてトイレに行けますが、手摺りか何かにつかまりながらの伝い歩きでなければ移動することはできません。

5ヶ月前にお風呂に入っていて出られなくなり、救急車で運ばれるということがあってから、母だけでは、父の入浴中に何かあるといけないので家族で相談し、父は必ず主人がいるときにお風呂に入るようになりました。主人も私も仕事をしており、主人の実家は同じ市内ですが山間部なので毎日という訳にはいかず、2日に1日、主人と一緒に実家に帰って泊まっています。

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自身の親の介護から配偶者の親の介護へ

親の介護というと、大きく分けると〝自身の親の介護〟〝配偶者の親の介護〟の2つになると思います。私の実母は『看取り』というかたちで介護施設で静かに息をひきとり、母の介護で腰を痛めていた父も他界するといったん介護は終わりました。

でも、有難いことに再び〝お父さん〟〝お母さん〟と呼べる人ができました。そして、〝お父さん〟が前述したような状況なので、再び介護と向き合うようになりました。

少子化で、しかも殆どの人が仕事をしている現代…40代・50代の働きざかりの介護と老々介護は私の生活の中の一部でもあり、大きな社会問題だと実感しています。

 

 職場の理解

介護休職を社内規定に設ける会社も多くなってきました。私が以前勤務していた会社にもありました。でも、在職中に全社員の中で実際に介護休職をとったのはたった1人だけでした。

私の母も少しずつレベル低下が進んで身体が弱くなり、次第に救急車で運ばれたり入院することが多くなりました。余命3ヶ月と説明を受けたときには、上司に時間を作ってもらい、会議室で「有給を急に取ることが増えるかもしれない」と話しました。上司はそのことを理解してくれず、逆に「そんなことで私を呼びつけたの?」と言われ…辛い思いをしました。このように、職場の上司が理解してくれなかったという経験を主人もしています。

 両親が病院に行くときや髪を切りに行くなどの用事で出かけるとき…仕事の都合をつけ、できるだけ私達夫婦と両親の4人で車で出かけています。母だけが出かけるときには、私が父と実家で留守番をしています。

初めて父と2人で家にいることになったときには、こんな微笑ましい話も…。父が主人にむかって「喧嘩せんように(2人仲良く留守番)しているからな♪」と明るく言ってくれました。でも、父は少しずつ歩きづらくなり、家の中で転けることもしばしばです。股関節を手術している私レベル低下している父、2人での留守番はやがてできなくなりそうです。

私達夫婦と両親の話が、同じように介護をしていたり、悩んだり、不安をかかえている人達と共有でき、宜しければコメントを頂いて一緒に考え、歩めていければ幸いです。

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 お題「ブログをはじめたきっかけ」

 

 

褥瘡を予防するには? 寝たきりの母の経験より

主人の父(以下、お父さん)は現在80歳で要支援2です。家の中でトイレにいくために歩くときも手摺りや柱など、どこかにつかまりながら移動しています。一昨日の朝もドスンという音がするので慌てて駆けつけると、転んで腕をケガしていました。 

身体の自由がきかなくなると、どうしても座っている時間が長くなりますよね。お父さんは時々「お尻が痛い」と言い、座っているのも辛いという時があります。実の母(以下、母)も晩年は寝返りすることすらできない〝寝たきり〟の為、褥瘡対策をしていました。

 今回は、母のときにはどんな褥瘡への対処をしたのか?をお話させて頂きます。

お父さんの話は、対策も違うので別の機会にお話させて頂きます。

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 寝たきり(寝返りが自分でできない人)の褥瘡対策 

母は50代半ばから要介護状態で、始めの頃は家の中なら自分で歩いて移動でき、介護度は"要介護2"でしたが次第にレベル低下していき、60代になると、介護を主にしていた父に負担がかかってきたため、介護施設に入所しました。60代後半になると更にレベル低下が進み、自分で寝返りもできない状態になりました。カラダが動かなくなると認知症も進み、私が娘だということも分からなくなっていました。

そんな母のことを、両親が時々通っていた皮膚科の先生が受診時に心配し「床ずれができないように気をつけてあげて」と父にアドバイスをしてくれました。それから父は、母に褥瘡ができないように対策をとるようになりました。父は毎日母のいる介護施設に行っていました。母に付き添い、目薬をさしたり、カラダをマッサージしたり、話しかけたり…半日は母の側に付き添っていました。

体圧分散用具と体位変換

そんな父が、まず褥瘡対策に思いついたのは、体圧を分散させるためのクッション(パット)の購入でした。そして、カラダの向きや姿勢を変える体位変換についても工夫し、介護施設の方にも協力してもらって2時間おきにそのクッションの場所を変える時間表を作り、個室の母のベッド近くに貼ってもらいました。

 これがそのときに使った体圧分散用具です。

 この三角柱のクッションを、2時間おきに右か左の背中に当て、お尻の裏側にも当てました。右へ左へと体位変換をし、上向きのときには膝の下に入れ、褥瘡ができないように工夫しました。結果、母は70歳で息を引き取るまで、一度も褥瘡ができずにすみました。

父の母に対する想いと介護施設のスタッフの皆さんのおかげだと思っています。

この話が、褥瘡に悩んでいる方やご家族の方のお役に立てれば幸いです。

 

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